2009年10月18日
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大日本印刷株式会社秀英体開発室
DAI NIPPON PRINTING CO.,LTD SHUEITAI DEVELOPMENT DEPARTMENT

秀英体とはその誕生から100年余を経過した文字活字であり、秀英舎(製文堂)・大日本印刷株式会社(以下DNP)が大切に守り育ててきた文字資産であ
る。それはまた同時に、庭契会などDNPを取りまく多くの協力企業や、外注先企業によって外部にも拡散し、いまやひとりDNPにとどまらず、わが国の書
物・新聞・ 雑誌などにも大きな影響を与えている社会的資産でもある。
DNPは2003年3月31日をもって、金属活字による組版と、それを印
刷版とする金属活字版印刷部門を閉鎖した。それに際し、4年余の歳月をかけて秀英体100年余の歴史的検証と、現存していた活字・機器などの調査・分析・
研究がはじまり、その調査結果の一部は『秀英体研究』という書物の形で公開された。また同研究で提起された基本書体の大幅な改刻も決定し、2006年1月
から「秀英体平成の大改刻」の大プロジェクトが展開している。
同プロジェクトにおいては、情報の公知公開が計られ、また中核顧客だけではなく、
タイポグラフィ実践の第一線にいる諸氏にプロトタイプを試用していただくというかたちで、その意見を節目節目で聴取し、改刻のワーキング・グループと確認
しあいながら進行するという前例のない方式を採用している。また東京国際ブックフェアなどへの出展を通じて、出版人はもちろん、ひろく大衆の意見も改刻の
中に取り入れている。また、小冊子『秀英体 平成の大改刻』の発行や、ウェブサイトを通じて、インタラクティブな情報交換を実践し、併せて限定公開ながら
「秀英体展示室」を設けて開発の途中経過など
も 随時公開している。
これは書体とは一企業が独占し、得手勝手に作成するものではなく、
ひろくおおやけの存在であり、多くの読者大衆に向けた資産であるという認識から発したものである。大改刻のプロジェクトは、DNPのフラッグ・シップとも
いうべき秀英初号明朝体に続き、ユニバーサル・デザインを志向したディスプレー用書体、本文用明朝体シリーズなどが完成間近となり、ゴシック・シリーズ、
丸ゴシックシリーズの開発も佳境にはいって
きた。
平野富二賞の授与を契機として、DNPとタイポグラフィ学会とが ひろく交流し、21世紀を貫く基幹書体であろう秀英体の改刻に激励を送り、今後の連帯を求めたい。