2008.2.26
2008年2月26日に、新宿区の四谷区民センターにて行われました、第3回ちいさな勉強会「オトル・アイヒャー タイポグラファと"ホモ・ポリティクス"/Otl Aicher Typograph und "homo-politicus"」(主催:朗文堂 後援:タイポグラフィ学会)が無事終了いたしました。遠方からいらした会員の方もお見受けいたしました。ご来場いただいた皆さま、お疲れさまです。ありがとうございました。
この講演会は、新宿私塾第5期修了生のペートラ・シッファートさんによる研究成果の発表でした。この研究は新宿私塾での修了制作をおおいに発展させたも
ので、表面的な形体や色彩の問題だけでは理解しにくいアイヒャーの造形活動について、「ホモ・ポリティクス」というキーワードを軸に調査・論考された発表
内容でした。
ペートラ・シッファートさんは、アイヒャーの生涯を、1922年から45年の受容期と1945年から91年の表現期に大別され、ド
イツの歴史やその社会情勢が、いかにアイヒャーの考え方に影響を与えたのかを分析されています。とりわけ、ナチス政権時代における人格形成が、アイヒャー
を理解するうえでの重要な点であるようです。
「アイヒャーによる、タイポグラフィとタイポグラファへの要求」
タイポグラフィは、最適なヴィジュアル・コミュニケーションを成り立たせるための技術です。信頼性への要求が、中心にあります。言語(言葉づかい)、書体、そしてタイポグラフィの信頼性。
タイポグラファはそれを意識しているか否かにかかわらず、彼の仕事の性質上、必ず「ホモ・ポリティクス」(社会に影響を与える人物)である。
社会的・政治的でないタイポグラフィはありえない。