2009.11.28

秀英体展示室見学会

2009年11月27日に、研究委員会主催により「秀英体展示室へのちいさな見学会」を行いました。この見学会は、第3回平野富二賞を受賞された大日本印刷株式会社・秀英体開発室の開発室室長高橋様よりのお誘いによって実現しました。

小さな見学会レポート
見学場所:DNP五反田ビル2階 秀英体展示室
日時:2009年11月27日(金) 午後5時から6時まで

研究委員会主催の第1回目の行事として、大日本印刷株式会社様の秀英体展示室への見学会が、会員9名の参加をえて行なわれました。
 まず、 DNP1階入口で、平野賞授賞式にご出席いただきました大日本印刷・秀英体開発室の高橋室長・伊藤様・宮田様にお出迎えいただき、受付で入館証を受け取っ て、エスカレーターで2階へ。(ちなみに広々とした1階はルーブルDNPミュージアムラボなどの展示スペースになっています。)まずは会議室で、高橋様の ご挨拶の後、最新の話題としてまだ展示室では取り上げられていない、ディスプレイ用に開発された「秀英横太明朝」(普通の明朝体より横画が1.8倍太くデ ザインされている書体)について、その開発コンセプトと多くの具体的な使用例を伊藤様に20分ほどプレゼンテーションしていただきました。
 つい で、展示室のエントランス部に飾られた秀英体の金属活字からデジタルフォントまでに至る概略と、『改正西国立志編』(1877年)に始まる使用例などの展 示物の説明がありました。ここで、現在携帯電話で実際に使われている秀英体横太明朝の表示を実機の画面で見せていただき、小さなポイントでもくっきり見え る最近の携帯の画面にひたすら感心しました。
 そしていよいよ核心の「秀英体展示室」へ。白を基調としたガラス張りの未来的な空間デザインの部屋 の中に、秀英体の開発の歴史とその成果物が引き出しの中や映像を使って収蔵・展示されています。年代別・号数別秀英体のフォルムの変化などをかな文字ごと に比較できるソフトなど、とても濃い内容がぎっしりとつまっているのですが、ゆったりと配置された広いスペースに収められているので、外からはとてもシン プルな様相です。ここにしかない貴重な資料などは、1つ上の階で仕事をされている秀英体開発室の社員の方々も、ここへ降りてきて調べたりすることがよくあ るそうです。
 じっくりと目を通したい気持ちにかられる興味深い内容の資料や展示物が数多くあって、とても短時間ですべてを見ることはできそうもありません。あっという間にお約束の時間がきてしまいましたので、後ろ髪を引かれながらここで退室することに。
 まだご覧になっていない方で活字や和文書体にご興味のある方は、機会がありましたら是非こちらを訪れることをお薦めします。(文責:研究委員会 小酒井英一郎)

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