2010.3.07

タイポグラフィ講演会 林 昆範氏「宋朝体と明朝体」報告

2010年2月28日日曜日、新宿区立産業会館にて、台湾中原大学助教授の林昆範氏によるタイポグラフィ講演会「宋朝体と明朝体----書写系と彫刻系書体の相剋」が行われました。タイポグラフィ学会としては東京では初となる大きなイベントでしたが、朝から降り続いた雨も開演の午後2時頃にはすっかりやみ、ほぼ満席となる約150名の来場者を迎える盛況となりました。ご参加・ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
 会場の3分の1を使って配置された、中国刊本、拓本から日本の明治以降の明朝体につながる書写系、彫刻系文字の様々な実物の展示コーナーは、講演後約60分間、最後まで熱心に見入る人々で埋め尽くされていまた。また展示とともに講演後行なわれた、少人数による林さんを囲む座談会コーナーでも、熱心に質問される人が引きもきらず、閉会となる午後4時半まで続いていました。
 タイポグラフィ学会では、今後も講演会やちいさな勉強会などの企画・後援を行う予定ですのでぜひご参加ください。

*この講演会の内容は、本サイトのプレスリリースからダウンロードできます。

林さん会場.jpg















主な展示物:
・林昆範氏博士学位論文 2008年
・龍門二十品 拓本 495-520年
・雁塔聖教序 褚遂良 拓本 653年
・唐確慎公集(とうかくしんこうしゅう) 全4巻 1921年
・松窗詩鈔(しょうそうししょう) 第三編 上下 1924年
・黙水居随筆香蘇山館絶句(もくすいきよずいひつこうそさんかんぜつく)二巻 1933年
・天道溯原(てんどうそげん)1904年
・約翰福音註釋(ヨハネふくいんちゅうしゃく)1899年
・横浜・築地活字書体見本帳 2009年
・築地活字二号10書体新鋳造活字とその清刷り
・研究社八十五年の歩み 1992年
・研究社 新英和大辞典第6版第7刷り
・SPECIMENS of TYPE FACES 1937
・宋版 周礼(しゆらい)南宋時代
・常建詩集二巻一冊
・邦文活字の書體及び規格一覧表 1940年頃
・岩田活字母型書体表 1953-67年頃
・中京に覇を唱えた津田三省堂断片資料
・理想社印刷所六十年田中末吉/町工場六十年 2分冊 1992年
・笹氣出版印刷株式会社による、凸版(活版)印刷16度刷り版画 2009年
・青山進行堂活版製造所『富多無可思(ふたむかし)』1909年
・内閣修史局蔵版『史徴墨寶考證(しちょうぼくほうこうしょう)』1989年
・池原香穉(いけはらかわか)撰並びに書『新撰千字文』(しんせんせんじもん)
・安藤末松自筆の書
・東京築地活字鋳造所と秀英舎の活字見本帳 明治36年/明治43年  
・劇団☆新感線 公演『吉原御免状』広報物
・天童荘総合計画(正調明朝体の使用例)
 など


戻る