2011.7.08

西安西北大学芸術学院との交流 2

2011年5月9日から14日まで、当学会員である林昆範氏が、西安西北大学で「漢字古典印刷書体とその応用」というテーマの講演を行ってきました。今後ともタイポグラフィを通じた中国、台湾など海外の研究者との学術交流を重ねていきたいと考えております。


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タイポグラフィ学会副会長・木村雅彦氏のご推薦、および中国会員でもある西北大学副教授・孫明遠先生のご協力をいただきまして、私は初めての中国大陸旅行を果たしました。すなわち西北大学芸術学部のご招聘に応じまして、2011年5月9日-14日までの6日間、台湾会員でもある私は、中原大学文化創意研究センター主任として、西北大学でシンポジウムとデザイン講座を行いました。そして、学部長から客員教授証を授与されました。
 シンポジウムの講演で、私は「漢字古典印刷書体とその応用」というテーマで発表しました。中国で創られて、悠久な歴史を持つ宋朝体、明朝体、楷書体などの古典印刷書体は、刊本書体、活字書体、写植書体を経て、現代の電子活字でも活躍しています。その歴史の流れ、文化への影響、造形上の特徴などの内容を発表させていただきました。そしてこれらの古典書体を、デザイン教育やデザイン現場に応用するための思考と方法も報告させて頂きました。その中華文化の奥まで追求した講演内容は、中国の古都・西安(もとの長安)にある西北大学の聴講者たちから大きな反響を頂きました。今後、これらの古典書体は、西安の地域産業や観光産業のデザインにも生かされることを大いに期待しています。

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いっぽう、デザイン講座では、私は中原大学文化創意研究センターによる主な産学協同プロジェクトを報告しました。計画の立て方、産業とのコミュニケーション、デザインの進め方などを説明しながら、西北大学芸術学院の参加者たちと、デザインの思考、視点と価値観などについて意見交換をしました。そして、学生たちが進めている実習の課題にも調整の意見を提供しました。これらの一連の交流活動を通じて、私は新しい中国の進化や、大陸の学生が、知識と技術に対する強い意欲を有していることを改めて実感しました。遂にアジアの時代がやって来るものと思っております。

中原大学商業設計学科 林昆範

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