世田谷美術館「ロシア・アヴァンギャルドのタイポグラフィ」講演会
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世田谷美術館で開催されている「松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム」展の関連企画として、当学会副会長 木村雅彦氏(株式会社GKグラ フィックス取締役)による「ロシア・アヴァンギャルドのタイポグラフィ ― 通史的俯瞰によるその意義と影響」と題する講演会が10月19日(日)16:00-17:00、美術館2階講義室において行われました。 1時間という短い講演時間でしたが、タイポグラフィの定義から始まり、次にギリシャ石碑、トラヤヌス碑文からロシア・アヴァンギャルドで多用されるスクエア・サンセリフまでの書体の系譜を紹介されました。そして、ロシア・アヴァンギャルドのポスターにおけるタイポグラフィの特徴をその内容・媒体・表現・文字の4つの側面にまとめ、リシツキー、ロトチェンコからチヒョルト、バウハウス、スイス・タイポグラフィ、さらに日本まで、その影響を受けたと思われる人物・作品群を配布された1枚の年表を用いて解説され、本展示とともに、1920年前後というタイポグラフィにとって興味の尽きない一時期の一端に触れる良い機会となりました。
講演内容:
1. ローマン体の成立と初期視覚表現
2. 19世紀のタイポグラフィ
3. ロシア・アヴァンギャルドのタイポグラフィ
4. ロシア・アヴァンギャルドの影響